「口を開けると顎が痛い」「食事をするとカクカク音がする」「口が大きく開かない」——こうした症状は顎関節症のサインかもしれません。
秋葉原の歯医者「中川歯科クリニック」では、問診・触診・デジタル咬合検査・レントゲンによる総合的な診断のもと、マウスピース(スプリント)療法を基本としながら、セルフマッサージ指導・温熱療法・プラズマレーザー療法・ボツリヌス治療など、患者様の状態に合わせた段階的な治療をご提供しています。
目次/このページでわかること
当院の顎関節症治療における特徴
段階的な治療で改善を目指す
顎関節症は「どのような症状がどの程度出ているか」によって、最適な治療方法が異なります。
当院では次のような段階的なアプローチをとっています。
- 軽度の症状であればセルフマッサージや温熱療法(ホットパックなど)から開始
- 改善が見込まれない場合はマウスピース(スプリント)療法を導入
- それでも効果が不十分な場合はプラズマレーザーによる消炎・治癒促進処置
- 最終的にボツリヌス治療(咬筋へのボツリヌストキシン注入)を検討
「何をしても治らない」と悩んでいる方でも、丁寧に状態を拝見した上で最適な方針をご提案いたします。
デジタル咬合検査とCT・レントゲンによる精密診断
顎関節症の治療において、噛み合わせ(咬合)と顎関節の状態を正確に把握することは非常に重要です。
当院では、iTero Lumina(口腔内スキャナー)によるデジタル咬合接触点の確認・咬合紙・シムストックを使った精密な咬合評価を行います。
また必要に応じてレントゲン撮影・歯科用CTで顎関節の骨の状態・関節腔の状態を確認します。
問診では顎の痛み・開口量・雑音・肩こり・頭痛などの全身症状も詳細に聴取し、総合的に判断します。
噛み合わせ・歯ぎしりとの関連も踏まえた包括的な対応
顎関節症の原因は単一ではなく、噛み合わせのバランスの乱れ・歯ぎしり・食いしばり・姿勢・ストレスなど複数の要因が絡み合うことがほとんどです。
当院では顎関節の治療にとどまらず、必要に応じて噛み合わせの調整・マウスピース(ナイトガード)の製作・ボツリヌス治療との組み合わせで、根本的な原因にアプローチします。
顎関節症とはどのような状態か
顎関節は、耳の前あたりにある「下顎骨(下の顎の骨)」と「側頭骨(頭の骨)」がつながる関節で、「関節円板」と呼ばれるクッション状の軟骨が衝撃を吸収しています。この関節の構造に何らかの問題が生じた状態が顎関節症です。
日本顎関節学会の分類では、主に4つのタイプ(Ⅰ〜Ⅳ型)に分類されています。
- 咀嚼筋(噛む筋肉)の痛みが中心の筋性タイプ
- 関節の中でカクカクと音がする関節円板のズレ(クリック音)タイプ
- 口が十分に開かなくなるタイプ
- さらに骨自体の変形を伴う変形性関節症タイプ
などがあります。複数のタイプが混在するケースも多く、状態に応じた治療の組み合わせが必要です。
顎関節症の症状で特に多いのは次の3つです。
- 顎の痛み(開口時・咀嚼時の痛み)
- 関節音(クリック音・ゴリゴリとした音)
- 開口障害(口が十分に開かない・開けるときに引っかかる感じ)
これらの症状が続いている場合は早めにご相談ください。
顎関節症の主な原因と悪化要因
顎関節症はさまざまな要因が複合的に重なって発症します。
- 噛み合わせの乱れは顎関節への負担を増大させる大きな要因です。
- 歯ぎしりや食いしばりは顎関節・筋肉への過度な負荷をかけ続けます。
- 頬杖・うつ伏せ寝・横を向いて寝るなどの姿勢の癖も、長期的に顎のバランスに影響します。
- 精神的なストレスや疲労は筋肉の緊張を高め、食いしばりの頻度を増やすことがあります。
- また過去の打撲や事故による外傷が原因になることもあります。
「原因がよくわからない」という方も多いですが、いくつかの習慣や生活環境の見直しとあわせて治療を進めることで、改善の効果が高まります。
診断・検査の流れ
初診では詳細な問診からスタートします。
- いつから・どのような状況で症状が出るか・左右どちらかに偏りがあるかなどを詳しく確認します。
- その後、触診(筋肉・関節の圧痛確認)・開口量の測定・関節音の確認を行います。
- iTero Luminaを用いてデジタル咬合チェックを行い、どの歯に過度な力がかかっているかも確認します。
- 必要に応じてレントゲン・CTで顎関節の骨の変化を評価します。
これらの情報をもとに、患者様に現在の顎関節の状態と考えられる原因をわかりやすくご説明した上で、治療計画を立案します。
治療方法の詳細
セルフマッサージ・温熱療法
症状が軽度の場合、または他の治療の補助として行います。咀嚼筋(咬筋・側頭筋)のセルフマッサージの方法を丁寧にレクチャーし、ご自宅で継続していただきます。温熱療法(ホットパックを顎まわりに当てる方法)も筋肉の緊張緩和に効果的で、自宅で手軽に取り組める方法としてお伝えしています。
マウスピース(スプリント)療法
スプリントは顎の負担を均等に分散させる装置で、睡眠時や食いしばりがひどい時間帯に装着します。
当院では保険適応のマウスピース(約5,000円)と自費診療のマウスピース(11,000円)を取り扱っています。
スプリントを装着することで顎関節・筋肉への過剰な負荷が軽減され、痛みや開口制限の改善が期待できます。
装着開始から1〜2ヶ月で変化を感じ始める方が多く、1〜3ヶ月ごとのメンテナンスで状態を確認しながら継続します。
プラズマレーザーによる消炎・治癒促進
マウスピース療法で十分な改善が見られない場合には、プラズマレーザーの照射を組み合わせます。ネオジムヤグレーザーは組織浸透性があり、顎関節の深部にまで届いて炎症を抑え、治癒を促進する効果(LLLT:低出力レーザー療法)が期待できます。痛みや不快感なく施術でき、短時間で終わります。
ボツリヌス治療
食いしばりが非常に強く、スプリントや他の方法では十分な改善が得られない場合には、咬筋(エラのあたりの筋肉)へのボツリヌストキシン注入を検討します。ボツリヌストキシンにより咬筋の収縮力が穏やかになり、顎関節への過剰な負担が軽減されます。効果は3〜6ヶ月持続し、徐々に弱まります。初回45,000円・2回目以降40,000円(税込)です。
費用について
| 治療内容 | 費用(税込)目安 |
|---|---|
| マウスピース(保険) | 約¥5,000 |
| マウスピース(自費) | ¥11,000 |
| 咬合調整 | ¥5,500〜 |
| ボツリヌス治療(初回) | ¥49,500 |
| ボツリヌス治療(2回目以降) | ¥44,000 |
| レーザー照射 | ¥5,500〜 |
よくある質問
顎関節症は自然に治りますか?
軽度の症状であれば、生活習慣の改善(頬杖をしない・うつ伏せ寝を避けるなど)とセルフマッサージで改善するケースもあります。ただし症状が長引いたり悪化したりする場合は、放置すると慢性化しやすくなるため、早めにご受診いただくことをお勧めします。
顎がカクカクするだけで痛みがない場合も受診した方がよいですか?
クリック音(カクカク・コキコキとした音)は関節円板のズレのサインです。痛みがなくても、関節に何らかの変化が起きている可能性がありますので、早めにご相談いただくことをお勧めします。放置していると開口障害につながるケースもあります。
顎関節症と肩こり・頭痛は関係ありますか?
関係することがあります。咀嚼筋の緊張は首や肩の筋肉とも連動しており、顎関節症が頭痛・肩こり・首の痛みに影響しているケースも見られます。顎関節症の治療で全身症状が改善したという方も少なくありません。
治療期間はどのくらいかかりますか?
症状の程度や原因によって異なります。マウスピース療法では1〜3ヶ月で効果を感じ始めることが多く、状態が安定するまで数ヶ月〜半年程度の継続が推奨されます。根本的な噛み合わせの問題が原因の場合は、より長期的な治療が必要になることもあります。
マウスピースは市販のものでも大丈夫ですか?
市販のマウスピースは歯科医院で製作するものと異なり、噛み合わせの調整が行われていません。適切に噛み合わせが調整されていないマウスピースは、状態を改善しないどころか悪化させる可能性もあります。顎関節症の治療には、歯科医院で正確に製作・調整されたスプリントの使用をお勧めします。