そもそも、なぜ歯の治療で痛みを感じるのか
歯の痛みは、歯の中心部にある「歯髄(しずい)」、いわゆる歯の神経に刺激が伝わることで生じます。虫歯が深くなると、神経までの距離が近くなり、削る際の振動や熱が神経に伝わりやすくなるため、痛みを感じるのです。
逆に言えば、治療中に麻酔で神経をしっかりと麻痺させることができれば、痛みを感じることはありません。
麻酔の注射そのものが痛い…その理由と対策
「そもそも、あの麻酔の注射が一番痛いじゃないか!」という声が聞こえてきそうです。ご安心ください。その痛みにも、ちゃんとした理由と対策があります。 麻酔注射の痛みは、主に以下の3つが原因です。
- 針が刺さる時の痛み:当然ですが、針が歯茎に刺さる瞬間に「チクッ」とした痛みを感じます。
- 麻酔液が入る時の圧力の痛み:一定の圧力で麻酔液を注入しないと、歯茎が圧迫されて痛みを感じます。
- 麻酔液の温度による痛み:体温と麻酔液の温度に差があると、刺激となって痛みを感じやすくなります。
これらの痛みは、歯科医師の技術と工夫で大幅に軽減できます。現代の歯医者には、これらの痛みをなくすための様々な武器が用意されているのです。
「歯医者が怖い」という気持ちが、痛みを増幅させることも
実は、精神的な緊張も痛みの感じ方に大きく影響します。これを歯科恐怖症と呼ぶこともあります。
強い不安や恐怖を感じると、体は戦闘態勢に入り、痛みに対して非常に敏感になります。また、緊張で血圧が上がると、麻酔が効きにくくなるケースも報告されています。
治療技術だけでなく、患者様の不安な気持ちに寄り添うことも、「痛くない治療」の重要な要素なのです。


